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斎藤稔正(1981):『変性意識状態(ASC)に関する研究』松頼社による

 『変性意識状態の心理的特徴』 について

1.喪失感覚

  (a)時間感覚の喪失……時間の歪曲・停止,忘我など
  (b)空間感覚の喪失……方向性のズレ,浮遊感,孤立感など
  (c)言語感覚の喪失……言語的表現への抵抗感
  (d)自己感覚の喪失……身体像の歪曲,分離感など
  (e)主観一客観の差の感覚の喪失…‥・彼我の一体感

2.派生的感覚

  (f)恍惚感……至福感,夢幻の境地,至高体験など
  (g)受動性…… 被動感,リラックス,退行性など
  (h)注意集中…‥熱中感,没頭,選択的注意集中など
  (i)一時性……一過性,儚さ,空虚感など
  (j)宇宙識……啓示的,洞察,周囲との一体感など


現実感覚の喪失または機能低下ということを述べている。

生活の中にある具体的な例をあげるとすると、
 ・読書、映画、TV、テレビゲームなどに夢中になっている状態
 ・祭り、スポーツ、ディスコダンスなどにおける陶酔状態
 ・宗教的体験
 ・アルコールによる酩酊状態
などがあげられるだろう。

いわゆる「超心理学」やスピリチュアル系団体の指導者は
この変性意識状態を利用して、全体への帰依ということを説く
場合もあるだろう。
その場合は、現実感覚や自己感覚を失った状態であるだけに危険だ。

催眠やNLPのワークにおいて、この変性意識状態を利用する
ものは多数あるが、一歩間違うと上記の危険性をはらんでいると
考えられる。この点については、それを実施する人による。
催眠家、セラピスト、プラクティショナーなど、呼び名はいろいろ
あるかもしれないが、そうした肩書きをはずした人こそ原点。

催眠やNLPといった手続き、投薬などはあくまでも手段にすぎず、
それに関わる人と人との関係がどうであるのかということだと思う。
いずれの手段にも限界はあると思われる。
一方、それに関わる人が何を目指しているか。
そうした原点における視点がないと、いずれの手段も危険をはらむだろう。
この点は常に注意しておきたい。
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青狐レオ

Author:青狐レオ
催眠や心理学について研究しています。 テーマは「催眠」「心理学」「精神医学」「コミュニケーション」など。その他には、マジック、アート、インプロ、映画にも興味があります。

 

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