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三浦清宏 「近代スピリチュアリズムの歴史」 講談社刊、読了。
肯定側の立場からの本だが、歴史を概観するのに参考になった。

近代スピリチュアリズムの歴史―心霊研究から超心理学へ近代スピリチュアリズムの歴史―心霊研究から超心理学へ
(2008/04)
三浦 清宏

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近代スピリチュアリズムの出発点をフォックス姉妹によるハイズヴィル事件におき、メスメリズムを含めたその時代の前後の思想的な背景などから、近年にいたるまでのスピリチュアリズムの歴史を概観。
日本における歴史も、福来友吉と浅野和三郎を中心に記述している。
また、最後に年表も掲載されている。これは便利だ。

日本のスピリチュアリズムの問題点の指摘:
「まず気になるのはその閉鎖性」 - 自分の背後霊をを唯一無比の存在と考える傾向があり、それゆえ排他的、独善的となるか、他の霊能者に対してはまったく無関心となる場合が少なくない。

「霊能者の閉鎖的社会の原因として指摘した背後霊の多さと、それぞれが孤立した特殊性を持っている」

これは良い指摘だと思う。有象無象のスピリチュアル系セラピーにも当てはまる。

この本と、例えば松田道弘「超能力のトリック」(講談社)や高木重朗「魔法の心理学」(講談社)を対比させて読むと理解が進みやすいのではないかと思った。
メンタリストの演目のルーツを研究するのにも良いかも知れない。
もちろん、スピリチュアリズム批判をする際、その基本的なことをまとめて知るという目的でも。

今年の158冊目。通勤時間にあと何か1冊くらい読んでしまうかも知れないが、今年はこのあたりでおしまい。来年はちょっと違ったテーマもあるし、読む冊数は減らし、考える時間とアウトプットする時間を増やそう。
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21世紀に入ってから急速に発展してきた脳科学。
出版でも一種のブームのようで、書店にもまともな本からとんでもない本までが並んでいる。
例えば、「○○脳」といった言葉がタイトルの本は、わざわざ中を見るまでもないと思われる。

そして、よくテレビに出てくる「脳科学者」たち。
この人は確かまともなことを書いていたはずだ....と思って本を開くと、それははるか昔のことで、今やハウツー本に脳科学の香りをつけただけの本を書いていたりもする...orz

なぜそんなことになっているのだろうという疑問を持っているのだが、今日『脳科学の真実』 坂井克之著 河出書房新社刊を読み終えて、少しはスッキリした。

脳科学の真実--脳研究者は何を考えているか (河出ブックス)脳科学の真実--脳研究者は何を考えているか (河出ブックス)
(2009/10/09)
坂井 克之

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この本ではカギかっこつきで「脳科学者」と「脳研究者」を意識して区別している。
そして、巷間求められているものと学術的な基礎研究との差、わかりやすさを求めるために歪められる解釈、学者自身のバイアス等々が語られ、何でこんな脳疑似科学あるいはNO科学が「脳科学で実証された」といったふれこみで書かれるのかという事情が少しはわかった。

また、カギかっこつきの「脳科学者」の他にも「脳文化人」や「芸脳人」という言葉を使い批判的な視線を投げかけている。

近年急速な進展を見せている分野であるだけに期待も大きいのだが、こうした批判的な検証のこころみも必要だと思う。それから、一般人の私たちはどうすればよいかというと、安直なビジネス本に書いているようなことをうのみにして思考停止状態になってしまわないのが大事なことだろう。よく売れている本=良い本とは必ずしも言えず、大衆受けする単なるエッセイないしはフィクションであるかも知れないからだ。

それを見分けるためにはしっかりと勉強する必要もあるだろう。
それで書店に行くと、並んでいるのが玉石混交。

と、この日記は振り出しに戻り、無限ループに陥ってしまうかもしれない...
■うつ病100万人超す、10年で2・4倍に 
(読売新聞 - 12月04日 03:04)

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抑うつなどの症状が続くうつ病の患者数(躁(そう)うつ病を含む)が、初めて100万人を超えたことが3日、厚生労働省が3年ごとに実施している患者調査でわかった。

 長引く不況などが背景とみられる一方、新しい抗うつ薬の登場が患者増につながっていると指摘する声もある。

 患者調査によると、うつ病が大半を占める「気分障害」の患者数は、1996年に43万3000人、99年は44万1000人とほぼ横ばいだったが、2002年調査から71万1000人と急増し、今回の08年調査では、104万1000人に達した。
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(注) ProzacはSSRI系の抗うつ剤のひとつの製品名。
    抗うつ剤の代名詞的に使用されることもある。
    Prozac Nationは同名の映画がある。(後述)

近年、うつ病に対する社会的理解が広がったことは進歩と思う。
一部には誤解や根強い偏見などもあるのだが...
一方、この国もアメリカ同様にProzac Nationとなり、消費量が増えていることが気にかかる。

アメリカと比較してみたとき、
この国ではひとをうつに追い込みやすい文化的な背景があるのではないだろうか。
日本人のきめこまやかな思いやりは美点であると同時に、
無意識のうちに相手にもそれを要求する社会的文脈を形成がちであるように思われる。
勤勉さ、きまじめさが尊ばれることも同様である。

この社会的文脈をうまく読みとれないと、「空気が読めない」といって排斥する傾向もある。
仲間を形成し、「ウチ」と「ソト」とを使い分けることもある。

評価基準がひとつになりがちであるという点も考慮しておきたい。
(様々な視点で見れば、ある欠点は長所につながることもあるのだから。)

そして、長く続く不況、経済的なスローダウンが重くのしかかっている。

統計のとりかた、評価のしかた等についても検証した方が良いかもしれない報道だが、
傾向的には、この国がProzac Nation化しつつあるというのは間違いないだろう。

まずは身の回りから、身近な人からに対してで良い、何かできることがないだろうか。
(うつ状態のとき、声をかけてもらいたくない場合もあるので、
それは相手の状態をよく見ることが必要ではあるが...)
少なくとも相手をよく理解することは大事だと思う。
「相手の身になって考える」訓練は学校教育などでも強調されているので、多くの人は自然に身についているはずだ。

経済対策ももちろん重要。
落ち着いた、息の長い対策と同時に、世界的な競争力も高めて行く方向が良い。
アニメ、映画、観光資源、日本の伝統文化など、何でも良い。
日本には良い資産がまだまだ残っている。
それをうまくプロモートするというのが課題。もっと工夫が必要なのかも知れない。

<映画 : Prozac Nationについて>
日本語タイトルが「私は『うつ依存症』の女」(もう少しなんとかならなかったのだろうか?)
女子大学生の新入生生活とうつ病や依存症を描いている。
シーンの中にはかなり攻撃的な衝動も描かれており、日本でよく語られているうつ病の症状と少し異なる点があると思われる。

うつ病に関しては、セロトニン欠乏仮説がよく知られている。
他にも、アドレナリン(ノルアドレナリン)の分泌異常という仮説がある。
この映画を見ながら、
攻撃性が人に向かうのも自分に向かうのも本質的には変わらないのではないかという感じを受けた。多くの場合、攻撃性は自分に向かう。そんなに自分を責める必要はないのに。
それはアドレナリン(ノルアドレナリン)の分泌異常によるひとつの症状にすぎない。
対抗するために、(短期的には)薬が必要場合もあるだろう。
その結果、Prozac Nationとなる。

最後の方でProzac Nation に対する批判的なメッセージが語られるが、それが監督の言いたかったことなのかも知れない。

家族のあり方や日本の社会のあり方についてもあわせて考えてみたい。

http://www.youtube.com/watch?v=mIHB6a3NDuU&feature=player_embedded

http://www.youtube.com/watch?v=q9p8JWQB_nA&feature=related

http://www.youtube.com/watch?v=inDWC_8LvHA&feature=related
  • このエントリーのカテゴリ : 心理
 

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青狐レオ

Author:青狐レオ
催眠や心理学について研究しています。 テーマは「催眠」「心理学」「精神医学」「コミュニケーション」など。その他には、マジック、アート、インプロ、映画にも興味があります。

 

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