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【小説】殺人者と恐喝者

カーター・ディクスン 1941年の作品。原題は、Seeing is Believing (「百聞は一見にしかず」)。

催眠術の実験を殺人のモチーフに使っている。実験は、被催眠者が催眠術師の指示に従うことを証明するために、ピストルとゴムの短剣を使って行われたのだが、被催眠者は催眠状態でその夫を短剣で刺殺してしまう。ゴム製の短剣がいつの間にか本物とすり替えられていたからだ。ヘンリー・メルヴェル卿がこの事件の解決に乗り出す。

これは小説だが、被催眠者にゴムの短剣で刺すように命じる実験は現実に行われたことがあるらしい。その正当性はよく検証する必要があると思われるが、Dr. Armen Victorianによる’Mind Controllers'には、以下のような記述がある。CIAによるマインドコントロールの実験ということである。

P. Janet asked a deeply hypnotized female to commit several murders before a distinguished group of judges, stabbing some victims with rubber daggers and poisoning others with sugar tablets. The hypnotized subject did all these without hesitation. P. 158, 160

(訳)P.ジャネットは、深い催眠状態にある女性に、審判員の目前でいくつかの殺人をしてみるよう指示した。それは(ゴムの)短剣で被害者を刺す、(実際は砂糖玉の)毒を他人に呑ませるというものであった。被催眠者はこれらすべてをためらいもなく行った。


Mind Controllers サマリー

この一方で、それが被催眠者に「ゴムの短剣」、「砂糖玉」であるとわかっていたから被催眠者は安心してそれを行ったという説もある。

日本で出版されている催眠本のいくつかには、「危険なこと」「生命にかかわること」「倫理に反すること」については無意識自体がそれを拒否するなどと、何の根拠もなく書かれていることがある。そうした本は、「だから催眠は安全だ」と主張したげなのだが、そうした記述をうのみにしない方が良いと思われる。

もともと催眠を非倫理的な目的に使用すること自体がどうかしている。しかしながら、「そんなことはありえない」と主張するだけでは何にもならない。単なる願望を語ったものにすぎないだろう。「催眠を非倫理的な目的に使用してはならない」ということは正しいのだが。

この小説を読みながら、そんなこともふと考えた。この小説は1941年の出版で、古いタイプの「本格ミステリ」。密室殺人を取り扱ったもの。秋の夜長に楽しむのも良いかもしれない。


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青狐レオ

Author:青狐レオ
催眠や心理学について研究しています。 テーマは「催眠」「心理学」「精神医学」「コミュニケーション」など。その他には、マジック、アート、インプロ、映画にも興味があります。

 

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